【プレママ必見】赤ちゃんの「さい帯」が首に!さい帯巻絡の原因と対処法

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妊婦健診で「赤ちゃんの首にさい帯が巻いている」と告げられたら、赤ちゃんは苦しくないのか、無事に出産できるのかと、とても心配になりますよね。この記事では、さい帯巻絡(さいたいけんらく)と診断されたプレママの不安を解消するため、その原因や赤ちゃんへの影響、ご自身でできる対処法から出産方法までを詳しく解説します。結論からお伝えすると、さい帯巻絡は妊婦さんの20%~30%が経験するもので、ほとんどの場合は赤ちゃんに影響なく安全に出産できます。大切なのは、慌てずに日々の胎動を注意深く確認し、医師の指示に従って健診を受けることです。正しい知識を身につけ、安心してマタニティライフを送りましょう。

目次

さい帯巻絡(さいたいけんらく)とは 赤ちゃんの首にさい帯が巻きつくこと

妊娠中のプレママさんなら一度は耳にするかもしれない「さい帯巻絡(さいたいけんらく)」。これは、赤ちゃんとママをつなぐ大切な命綱である「さい帯(へその緒)」が、お腹の赤ちゃんの首に巻きついてしまう状態を指します。妊婦健診のエコー検査で「へその緒が首に巻いていますね」と医師から告げられると、多くのママは「赤ちゃんは苦しくないの?」「出産は大丈夫?」と大きな不安を感じてしまうことでしょう。

しかし、さい帯巻絡は決して珍しい現象ではなく、ほとんどの場合は赤ちゃんに影響なく無事に出産を迎えることができます。まずはさい帯巻絡がどのような状態なのかを正しく理解し、過度に心配しすぎないことが大切です。この章では、さい帯巻絡の基本的な知識と、妊婦健診でどのように診断されるのかを詳しく解説していきます。

さい帯巻絡は妊婦さんの約20%から30%が経験する

さい帯巻絡と聞くと、何か特別なトラブルのように感じてしまうかもしれませんが、実は全妊婦さんのうち約20%~30%、つまり4~5人に1人という高い頻度で起こるとされています。これは、お腹の赤ちゃんが羊水の中で元気に動き回っている証拠ともいえる現象です。赤ちゃんが回転したり、手足を動かしたりするうちに、自然とさい帯が体に絡まってしまうのです。

また、一度さい帯が巻きついても、赤ちゃんが再び動くことで自然にほどけるケースも少なくありません。そのため、ある時期の健診で巻絡が確認されても、次の健診では見られなくなることもよくあります。首に1周だけ巻きついている「単頸巻絡(たんけいけんらく)」が最も多いですが、まれに2周以上巻きつく「多重巻絡(たじゅうけんらく)」や、首ではなく胴体や手足に巻きつくこともあります。

妊婦健診のエコー検査でどのように診断されるか

さい帯巻絡は、主に妊婦健診で行われる「超音波(エコー)検査」によって診断されます。医師はエコーの画面で赤ちゃんの様子を観察する際に、首の周りにさい帯が巻きついていないかを確認します。

具体的には、赤ちゃんの首を断面で見たときに、その周囲にさい帯の断面が丸い形やU字の形で見えることで判断します。さらに、血流の状態を色で表示する「カラードップラー法」という機能を使うと、より正確な診断が可能です。この方法では、赤ちゃんの首を取り囲むようにさい帯の血流がはっきりと映し出されるため、巻絡の有無や巻きついている強さの推定に役立ちます。

もしさい帯巻絡が疑われる場合、医師は以下のような項目を確認し、総合的に赤ちゃんの状態を評価します。

検査方法主な確認内容
超音波(エコー)検査赤ちゃんの首の周りにさい帯があるか、何周巻きついているかを確認します。
カラードップラー法さい帯内の血流が正常に保たれているか、圧迫されていないかを色で視覚的に確認します。
NST(ノンストレステスト)必要に応じて、赤ちゃんの心拍数とお腹の張りをモニターし、赤ちゃんが元気であるか(ウェルビーイング)を確認します。

これらの検査を通して、医師は赤ちゃんの健康状態を注意深く観察します。さい帯巻絡と診断されても、すぐに危険な状態になるわけではありません。大切なのは、自己判断で不安を募らせるのではなく、医師の指示に従って定期的な健診を受けることです。

なぜ赤ちゃんのさい帯は首に巻いてしまうのか その原因

さい帯巻絡(へその緒が巻く)の主な3つの原因 羊水(動けるスペース) 1. 活発な動き 回転や手足の曲げ伸ばしで 偶然絡まってしまう 3. 羊水の量が多い 動くスペースが広いため 回転しやすく絡まりやすい 2. さい帯が平均より長い 長いロープの方が絡まりやすいのと 同じ原理(70cm以上など)

妊婦健診で「さい帯が赤ちゃんの首に巻いている」と告げられると、多くのプレママは不安に感じてしまうことでしょう。しかし、さい帯巻絡(さいたいけんらく)は決して珍しいことではなく、その原因のほとんどは自然な現象によるものです。決して妊婦さんの行動や生活習慣が原因で起こるものではありません。まずは、なぜさい帯が巻いてしまうのか、その主な原因を正しく理解し、過度な心配を和らげましょう。

さい帯巻絡を引き起こす主な原因は、以下の3つが挙げられます。これらは単独ではなく、複合的に関連しあって起こることが多いと考えられています。

原因概要
赤ちゃんの活発な動きお腹の中で赤ちゃんが元気に動き回ることで、偶然さい帯が体に絡まってしまいます。
さい帯の長さへその緒であるさい帯が、平均よりも長い場合に物理的に巻きつきやすくなります。
羊水の量赤ちゃんが動くスペースとなる羊水が多いと、回転しやすくなり結果的に絡まることがあります。

原因1 赤ちゃんがお腹の中で活発に動くから

さい帯巻絡の最も一般的な原因は、お腹の中の赤ちゃんが元気に動き回ることです。妊娠中期から後期にかけて、赤ちゃんは子宮の中で手足を伸ばしたり、体をひねったり、でんぐり返しのように回転したりと、驚くほど活発に動きます。この動きは、赤ちゃんが順調に成長している証拠でもあります。

そのダイナミックな動きの過程で、たまたま自分のへその緒(さい帯)が首や体に引っかかってしまうことがあります。これは予測することも、防ぐこともできない偶然の出来事です。むしろ、赤ちゃんがそれだけ元気に動いている証と捉えることもできます。一度巻いても、また赤ちゃんの動きによって自然にほどけることも少なくありません。

原因2 さい帯が平均より長い

さい帯、いわゆる「へその緒」の長さには個人差があります。日本人におけるさい帯の平均的な長さは約50cm〜60cmとされていますが、中には70cm以上になる赤ちゃんもいれば、それより短い赤ちゃんもいます。この長さは生まれつき決まっているもので、遺伝的な要因などが関わると考えられています。

当然ながら、さい帯が平均よりも長い場合、物理的に赤ちゃんの体に絡まりやすくなります。短いロープより長いロープの方が絡まりやすいのをイメージすると分かりやすいかもしれません。このさい帯の長さも、妊婦さんの食事や運動といった生活習慣によって変わるものではなく、完全に赤ちゃん側の要因です。

原因3 羊水の量が多い

羊水は、外部の衝撃から赤ちゃんを守るクッションの役割を果たすと同時に、赤ちゃんが自由に動くためのスペースを提供する大切な役割を担っています。この羊水の量が平均よりも多い「羊水過多」の状態だと、赤ちゃんが動けるスペースが通常よりも広くなります。

広いスペースの中では、赤ちゃんはよりダイナミックに、そして頻繁に回転運動をしやすくなります。その結果として、さい帯が首に巻きつく機会が増える可能性があると考えられています。羊水の量も、妊婦さん自身が意識してコントロールできるものではありません。多くの場合、その原因ははっきりと分かっていません。

このように、さい帯巻絡は赤ちゃん自身の元気な動きや、生まれ持った体の特徴、そして赤ちゃんを取り巻く環境といった、ママにはコントロールできない要因が重なって起こる自然な現象なのです。

さい帯巻絡は危険?赤ちゃんへの影響とリスクについて

妊婦健診で「赤ちゃんの首にさい帯(へその緒)が巻いていますね」と告げられたら、誰でも不安な気持ちになりますよね。「赤ちゃんは苦しくないの?」「出産は大丈夫?」など、心配は尽きないでしょう。さい帯巻絡は多くの妊婦さんが経験することですが、そのリスクについて正しく理解しておくことが大切です。ここでは、さい帯巻絡が赤ちゃんに与える影響と、注意すべきケースについて詳しく解説します。

ほとんどの場合は心配いらない理由

結論から言うと、さい帯巻絡と診断されても、ほとんどの場合は母子ともに問題なく無事に出産を迎えることができます。過度に心配する必要がない理由は、お腹の中の環境とさい帯そのものの構造にあります。

まず、赤ちゃんはママのお腹の中で羊水にぷかぷかと浮かんでいます。この羊水がクッションの役割を果たしているため、さい帯が首に巻いていても、陸上で首が絞まるのとは全く状況が異なります。さい帯が首を強く圧迫することはほとんどありません。

さらに、さい帯の構造も赤ちゃんを守る上で重要な役割を担っています。さい帯は、1本のさい帯静脈と2本のさい帯動脈という3本の血管が、「ワルトン膠質(こうしつ)」というゼリー状の弾力性のある物質で保護されています。このワルトン膠質がクッションとなり、外部からの圧迫やねじれから血管を守り、赤ちゃんへの血流が簡単に途絶えないようにしているのです。

そして最も大切な点は、お腹の中の赤ちゃんは私たちのように肺で呼吸しているわけではないということです。赤ちゃんは、さい帯を通してママの胎盤から酸素や栄養を受け取っています。そのため、首にさい帯が巻きついていても、呼吸ができずに苦しくなるということはありません。

注意が必要なケースとは

ほとんどが安全である一方、ごくまれに注意深く経過を観察する必要があるケースも存在します。ただし、これらのリスクは妊婦健診や分娩時のモニタリングによって、医師や助産師がしっかりと管理してくれるので安心してください。

具体的にどのような場合に注意が必要か、下の表で確認してみましょう。

注意が必要な状況考えられるリスク医療機関での主な対応
さい帯が何周も固く巻いている(多重巻絡)赤ちゃんの動きや分娩の進行によって、さい帯が強く圧迫され、一時的に血流が悪くなる可能性が通常より少し高まります。妊婦健診の頻度を増やし、エコー検査で血流などをより注意深く観察します。
さい帯に結び目ができる(真結節:しんけっせつ)赤ちゃんが動くうちに、さい帯に固い結び目ができてしまう非常にまれなケースです。結び目がきつく締まると血流が妨げられる危険性があります。超音波ドップラー法などで血流を詳細に確認し、赤ちゃんの状態を厳重にモニタリングします。
分娩の進行中にさい帯が圧迫される陣痛によって赤ちゃんが産道を下りてくる際に、さい帯が引っ張られたり圧迫されたりして、一時的に赤ちゃんの心拍数が下がることがあります。分娩監視装置(NST)で赤ちゃんの心拍と陣痛の状態を常にチェックします。心拍の低下が続く場合は、吸引分娩や緊急帝王切開など、迅速な対応がとられます。

このように、さい帯巻絡には注意すべき点もありますが、その多くは分娩が始まってからの話です。妊娠中にさい帯巻絡が確認されても、それ自体がすぐに危険につながるわけではありません。大切なのは、医師の指示に従って定期的に健診を受け、赤ちゃんの状態をしっかりと確認してもらうことです。

さい帯巻絡と診断されたらどうする?プレママができる対処法

妊婦健診で「赤ちゃんにさい帯が巻きついていますね」と告げられたら、多くのプレママは不安に感じてしまうことでしょう。しかし、さい帯巻絡は決して珍しいことではなく、ほとんどの場合は無事に出産を迎えることができます。大切なのは、過度に心配しすぎず、正しい知識を持って冷静に対処することです。ここでは、さい帯巻絡と診断された後にプレママができること、そして心の持ちようについて詳しく解説します。

自分でできる予防法や治す方法はあるの?

さい帯巻絡と診断されると、「何か自分にできることはないか」「巻絡を治す体操のようなものはないのか」と考える方は少なくありません。しかし、結論から言うと、さい帯巻絡を確実に予防したり、意図的に治したりする医学的に確立された方法はありません。

なぜなら、さい帯巻絡の主な原因は、赤ちゃん自身がお腹の中で活発に動き回ることや、さい帯の長さといった、ママがコントロールできない要因によるものだからです。インターネット上では様々な情報が見られますが、逆子体操のように巻絡を解消するための特定の体操や体位は存在しません。自己判断で無理な体勢をとったり、お腹を強く圧迫したりすることは、かえって赤ちゃんや母体に負担をかける可能性があり危険です。医師の指示がない限り、特別なことはせず、リラックスして過ごすことを心がけましょう。

大切なのは胎動をしっかり確認すること

さい帯巻絡と診断されたプレママにとって、最も大切でご自身でできる唯一の対処法は、赤ちゃんの「胎動」を日々しっかりと確認することです。胎動は、お腹の赤ちゃんが元気にしていることを知らせてくれる大切なサインです。さい帯が強く締まりすぎて赤ちゃんが苦しくなると、胎動に変化が現れることがあります。その小さな変化にいち早く気づくことが、万が一の事態を防ぐことにつながります。

「胎動カウント」を習慣にしてみましょう。リラックスできる時間帯に、静かに横になるなどして、赤ちゃんが10回動くのに何分かかったかを計測します。毎日同じような条件下で行うと、いつものパターンが把握しやすくなります。以下の表のような変化を感じた場合は、自己判断せず、すぐに産院へ連絡してください。

注意すべき胎動の変化具体的なサイン
胎動が急に、激しくなる赤ちゃんが苦しくて暴れているような、いつもと違う激しい動きを感じる。
胎動が極端に少なくなるいつもはよく動く時間帯なのに、明らかに動きが鈍い、または回数が少ない。
胎動を全く感じなくなる1時間以上待っても、一度も胎動を感じられない。

「いつもと違うな?」というママの直感は非常に重要です。少しでも不安を感じたら、時間帯や曜日を問わず、ためらわずに医療機関に相談しましょう。

医師の指示に従い定期的に健診を受ける

さい帯巻絡がある場合、医師は妊婦健診でより注意深く赤ちゃんの状態を観察します。エコー(超音波検査)でさい帯の巻いている回数や位置、血流の状態を確認したり、NST(ノンストレステスト)で赤ちゃんの心拍数をモニターしたりして、赤ちゃんが元気かどうかを定期的にチェックします。

場合によっては、健診の頻度が通常より多くなることもあります。これは、赤ちゃんの安全をより確実に見守るための大切な措置です。医師は赤ちゃんとママの状態を総合的に評価し、分娩方法を含めた最適な方針を判断してくれます。不安なことや疑問に思うことがあれば、健診の際に遠慮なく質問し、納得のいく説明を受けましょう。医師とのコミュニケーションを通じて不安を解消することが、精神的な安定にもつながります。自己判断で健診の間隔をあけたりせず、必ず指示されたスケジュール通りに受診してください。

さい帯巻絡がある場合の出産方法

妊婦健診で「さい帯巻絡(さいたいけんらく)」と告げられると、「無事に出産できるだろうか」「帝王切開になってしまうのでは?」と不安に感じるプレママは少なくありません。しかし、さい帯が赤ちゃんの首に巻きついていると診断されても、その多くは安全に経腟分娩で出産できます。大切なのは、パニックにならず、正しい知識を持って出産に臨むことです。ここでは、さい帯巻絡がある場合の出産方法について詳しく解説します。

自然分娩で出産できることがほとんど

さい帯巻絡が確認されても、分娩方法の第一選択は自然分娩(経腟分娩)となるケースがほとんどです。その理由は、さい帯そのものの構造と、分娩中の適切なモニタリングにあります。

へその緒である「さい帯」は、血管を保護するための「ワルトン膠質」というゼリー状の物質で覆われています。このワルトン膠質がクッションの役割を果たすため、首に巻きついていても、陣痛の圧力でさい帯が完全に圧迫されて血流が途絶えてしまうことは稀です。また、赤ちゃんはお腹の中にいる間、肺呼吸ではなくさい帯を通じて酸素を受け取っているため、首にさい帯が巻いているからといって、すぐに窒息するわけではありません。

分娩が始まると、産婦人科では「分娩監視装置(NST)」を妊婦さんのお腹に装着します。これにより、陣痛の強さと赤ちゃんの心拍数をリアルタイムで継続的に監視します。陣痛の際に一時的に赤ちゃんの心拍数が下がることがあっても、陣痛がおさまるとすぐに回復するようであれば、赤ちゃんが元気な証拠であり、そのまま経腟分娩を続けることができます。そして、赤ちゃんの頭が産道から出てくる際に、医師や助産師が指でさい帯を首から外したり、緩めたりといった処置を行うことで、安全に出産を終えることが可能です。

帝王切開になる可能性について

ほとんどが経腟分娩で可能とはいえ、赤ちゃんの安全を最優先するために、帝王切開が選択されるケースもあります。帝王切開には、あらかじめ計画される「予定帝王切開」と、分娩の途中で切り替える「緊急帝王切開」の2種類があります。

予定帝王切開が検討されるのは、妊婦健診の段階で、さい帯が首に何重にも固く巻きついている「多重巻絡」が確認されたり、さい帯が極端に短かったりする場合です。また、逆子(骨盤位)など他のリスクを合併している場合も、経腟分娩のリスクが高いと判断され、予定帝王切開が推奨されることがあります。

一方、経腟分娩の途中で緊急帝王切開に切り替わるのは、分娩監視装置で赤ちゃんの心拍数に異常が見られ、回復しない場合です。これは「胎児機能不全(胎児ジストレス)」と呼ばれ、陣痛によってさい帯が強く圧迫され、赤ちゃんへの酸素供給が不足しているサインです。このような状態が続くと赤ちゃんが危険なため、速やかに帝王切開で出産させる必要があります。ただし、これはさい帯巻絡がない場合でも起こりうることであり、緊急帝王切開は、いかなる状況でも母子の安全を守るための重要な医療判断です。

さい帯巻絡がある場合の分娩方法の判断基準を以下にまとめます。

分娩方法主な判断基準分娩中の対応
自然分娩(経腟分娩)・巻絡が1周程度でゆるい場合
・分娩監視装置で赤ちゃんの心拍に問題がない場合
・分娩監視装置で赤ちゃんの心拍を継続的に監視
・児頭娩出時に医師や助産師がさい帯を外す
予定帝王切開・さい帯が多重に固く巻いている場合
・さい帯が極端に短い場合
・逆子など他のリスクを合併している場合
・医師と相談の上、手術日を決定
・計画的に入院し、手術にて出産
緊急帝王切開・分娩中に赤ちゃんの心拍が著しく低下し、回復しない場合(胎児機能不全)
・分娩の進行が停止した場合
・経腟分娩を中止し、速やかに帝王切開術に切り替え
・母子の安全を最優先に迅速な対応を行う

最終的な分娩方法は、巻絡の状態、赤ちゃんの大きさ、羊水量、そしてプレママの健康状態などを総合的に考慮して、担当の医師が判断します。不安な点があれば、妊婦健診の際に遠慮なく質問し、医師とよく相談することが大切です。

そもそも「さい帯」とは?赤ちゃんとママをつなぐ命綱の役割

さい帯(へその緒)の構造と役割 断面図で見る3本の血管とワルトン膠質 ワルトン膠質 ゼリー状の組織 血管を圧迫から守る さい帯動脈(2本) 老廃物を胎盤へ戻す 赤ちゃん→ 赤ちゃん→ さい帯静脈(1本) 酸素・栄養を赤ちゃんへ →赤ちゃんへ 全体像イメージ 胎盤側 赤ちゃん側 らせん状

さい帯巻絡について知る前に、まずは「さい帯」そのものがどのようなものか、その大切な役割について理解を深めましょう。さい帯は、一般的に「へその緒」として知られており、妊娠中にお腹の赤ちゃんとママをつなぐ、まさに「命綱」とも呼べる重要な器官です。

この一本の管を通して、赤ちゃんはママから生命維持に必要なすべてを受け取ります。さい帯は、胎盤(たいばん)を介してママの体とつながっており、赤ちゃんがお腹の中で健やかに成長するために不可欠な存在なのです。

さい帯が赤ちゃんに酸素と栄養を届ける仕組み

さい帯の最も重要な役割は、赤ちゃんへの酸素と栄養の供給、そして不要になった老廃物の排出です。よく誤解されがちですが、ママの血液が直接赤ちゃんに流れているわけではありません。胎盤というフィルターのような器官で、ママの血液から酸素や栄養素だけが取り出され、さい帯を通って赤ちゃんへと届けられます。

さい帯の中には、以下の3本の血管が通っており、それぞれが重要な役割を担っています。

血管の種類役割
さい帯静脈(1本)胎盤から、酸素と栄養を豊富に含んだ血液を赤ちゃんに送る「供給路」です。
さい帯動脈(2本)赤ちゃんが代謝した後の二酸化炭素や老廃物を含んだ血液を、胎盤に送り返す「排出路」です。

このように、さい帯は24時間休むことなく、赤ちゃんの生命活動を支えるためのガス交換と物質交換を行っています。この絶え間ないやり取りがあるからこそ、赤ちゃんはお腹の中で呼吸や食事をすることなく、すくすくと大きくなることができるのです。

さい帯の構造と長さ

さい帯は、ただの管ではありません。赤ちゃんを守るための、精巧な構造をしています。

前述の3本の血管は、「ワルトン膠質(こうしつ)」と呼ばれるゼリー状の弾力性のある物質で満たされ、保護されています。このワルトン膠質がクッションの役割を果たすことで、さい帯が圧迫されたり、ねじれたりしても、中の血流が簡単に途絶えないようになっています。さい帯巻絡が起きても多くの場合で問題ないのは、この優れた構造のおかげでもあります。

さい帯の長さには個人差がありますが、出産時の平均的な長さは50cmから60cmほどです。太さは約2cmで、白く、らせん状にねじれているのが特徴です。このねじれも、外部からの圧力や引っ張りに対する強度を高める役割があると考えられています。ただし、さい帯が平均より極端に長い場合や短い場合には、分娩時に何らかの影響が出ることがあります。

このように、さい帯は赤ちゃんの成長に欠かせない機能を持ち、赤ちゃん自身を守るための工夫が凝らされた、神秘的で高性能な器官なのです。

出産後に役立つさい帯の活用法 さい帯血保管という選択

さい帯血バンクの種類の違い さい帯血(幹細胞) 公的さい帯血バンク ■ 目的:寄付(ボランティア) 第三者の患者さんの治療に使用 ■ 費用:無料 ■ 使用権利 自分や家族は使えない (所有権放棄) 民間さい帯血バンク ■ 目的:保管(保険) 赤ちゃん本人と家族のために保管 ■ 費用:有料 (登録料・保管料など) ■ 使用権利 本人・家族が優先的に使用 さい帯血の採取は「出産時の一回限り」のチャンス!

出産という大仕事を終えると、赤ちゃんとママをつないでいた「さい帯」はその役目を終えます。しかし、そのさい帯と胎盤の中に含まれる血液、いわゆる「さい帯血」には、実は驚くべき可能性が秘められています。無事に出産を終えた後、このさい帯血を保管するという選択肢があることをご存じでしょうか。ここでは、赤ちゃんからの最初のプレゼントともいえる「さい帯血」の活用法について詳しく解説します。

再生医療で注目されるさい帯血とは

さい帯血とは、出産後にさい帯(へその緒)と胎盤の中に残っている赤ちゃんの血液のことです。この血液の中には、「幹細胞(かんさいぼう)」と呼ばれる、体のさまざまな細胞の元となる細胞が豊富に含まれています。特に、血液を作り出す「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」が多く含まれているのが特徴です。

この造血幹細胞は、白血病や再生不良性貧血といった血液の病気の治療に役立てられてきました。骨髄移植(骨髄バンク)と同様に、さい帯血移植も有効な治療法として確立されています。さらに近年では、脳性まひや自閉症スペクトラム障害など、これまで治療が難しかった病気に対する再生医療・細胞治療への応用も研究されており、その可能性はますます広がっています。赤ちゃん自身やご家族の未来の健康を守るためのお守りになる可能性を秘めているのが、さい帯血なのです。

ステムセル研究所など民間さい帯血バンクの役割

さい帯血を保管するためには、「さい帯血バンク」を利用します。さい帯血バンクには、誰かのために寄付する「公的さい帯血バンク」と、赤ちゃん自身や家族のために保管する「民間さい帯血バンク」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

項目公的さい帯血バンク民間さい帯血バンク
目的第三者への提供(寄付)赤ちゃん本人やその家族のため
使用権利第三者の患者さんが使用(本人・家族は使えない)赤ちゃん本人やその家族が優先的に使用
費用無料有料(申込金・保管費用など)
保管の可否国の基準を満たした場合のみ保管(量や質による)契約すれば基本的に保管可能

公的バンクは善意の寄付であり、費用はかかりませんが、あくまで第三者のために使われるため、将来自分の子どもや家族が病気になっても利用することはできません。一方、ステムセル研究所に代表される民間さい帯血バンクは、有料でさい帯血を保管するサービスです。将来、万が一の事態に備えて、赤ちゃん自身の細胞を確実に保管しておけるという点が最大のメリットです。費用はかかりますが、赤ちゃん本人やそのご家族が将来必要になった際に、優先的に利用することができます。

どちらのバンクを選ぶかは、ご家庭の価値観や考え方によって異なります。さい帯血の採取は出産時にしかできない、一生に一度のチャンスです。後悔のない選択をするためにも、妊娠中に資料請求をするなど、早めに情報収集を始めておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、赤ちゃんの首にさい帯が巻きつく「さい帯巻絡」の原因と対処法について解説しました。さい帯巻絡は妊婦さんの約2~3割が経験するもので、決して珍しいことではありません。その原因は赤ちゃんの動きやさい帯の長さなどであり、ママの行動によるものではないため、ご自身を責めないでください。

さい帯はクッション性のある組織で守られているため、多くの場合、赤ちゃんへの血流が止まることはなく、過度な心配は不要です。さい帯巻絡と診断されたときにママができる最も大切なことは、日々の「胎動」を注意深く確認し、いつもと違うと感じたらすぐに病院へ連絡することです。自分で治す方法はないため、医師の指示に従い定期健診を必ず受けましょう。

出産も自然分娩で臨めるケースがほとんどです。不安なことはかかりつけ医と相談し、安心して出産に備えましょう。また、出産後には「さい帯血」を保管するという選択肢もあります。赤ちゃんとママをつなぐ大切なさい帯について、この機会に正しく理解しておくことが大切です。

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株式会社ステムセル研究所

詳細情報

〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目21−19 東急虎ノ門ビル 2階

URL:https://stemcell.co.jp/

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